
「HD DVD」と「Blu-ray」が、壮絶な戦いを繰り広げ、結局「Blu-ray」が勝ちました。
後出しで言うと、どこかの霊媒師みたいでいやなのですが、私は「Blu-ray」が勝つだろうと思っていたのです。
商品を売り込む上で重要なポイントの1つにネーミングというものがありますが、すでにネーミングの時点で勝敗は決まっていたと思います。
個人的に応援していた「HD DVD」が実際には負けてしまった理由を、ネーミングという観点から考えてみたいと思います。
その大きな理由の1つは、「HD DVD」の名称(発音)が長すぎるということです。
・エイチディー ディーブイディー
・ブルーレイ
明らかに長さが違います。
これは、これから先の何年もの間使用するであろう名称として考えると、「エイチディー ディーブイディー」と発音する面倒くささは大きなマイナス要因です。
「明日、エイチディー ディーブイディーでも借りに行く?」という会話をしている自分が全く想像できません。
もう一つの理由としては、これまでの「DVD」という、あまりにも普及しすぎた名称を取り入れてしまった事で、ものめずらしさや個性を打ち出す力が弱かったように思います。
また、「HD」も「DVD」も、あまりにも世の中に浸透している発音なので、新しい時代の到来を全く感じさせないのです。
別の意味であるハードディスクの略「HD」や、意味は同じにしろ、映像機器の規格「HDV」と名称がかぶり、一般の人達にとって、何が何の略だったかわからなくなってしまったのも失敗だったと思います。
また、「Blu-ray」に関しては、「Blue」ではなく「Blu-」にしたところも、一瞬「ん?」と思わせ、心が動くという心理戦法をとっているように思います。
私はSONY製品をほとんど利用する事はありませんが、さすがはSONYだなと思わせるネーミングだと感じました。
いろいろと大人の事情があるにせよ、今回の戦いでは、ネーミングが勝敗を大きく左右したと私は勝手に思っています。
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