
10年前のグッドデザイン賞は、私にとってとても崇高なものでした。
Gマークが付いているだけで、その製品は他の製品とは明らかに違う、何か特別なオーラを放っているように感じてしまうほど価値のある賞だったように思います。
ところがGマークの使用に使用料を払わなくてはならない時代になって、私にとって全く魅力のない賞になってしまいました。
その原因が一体何なのかを、2007年の受賞作品を例に考えてみました。
2007年度のグッドデザイン賞は、工業製品にとどまらず、いろいろなジャンルのものが受賞したようですが、その中には
デザインと関係があるのか微妙なものも含まれているように思います。
例えば『セカンドライフ』
これがグッドデザイン賞というのは、どこかピンとこない部分があります。3Dグラフックのデザインが受賞のきっかけになったわけではないようですし…
リンク先の審査委員のコメントを読んでも、やはりピンとはきませんでした。
それから『木野部海岸心と体を癒す海辺の空間整備事業 』
自然の風景とは、どこを切り取っても美しいものです。自然の景観を損なわないように何かをするということにグッドデザイン賞というのも、どこかピンとこない部分があります。
確かに意図がわからないわけではないのですが、写真を見る限り、90%は緑と海と空ですからね。
そりゃ美しいでしょう。
このままでは、精神哲学とか、なんとか理論とか、なんとか宗教の考え方とかがグッドデザイン賞をとる日も近いように思います。
外観のデザインに特化していた賞が、このようにデザインの幅が広がりすぎて、ありがたみが薄まってしまったというのが魅力低下の原因の1つだと思います。
私だけかもしれませんが、本当に誰もが認めるすばらしいデザインの製品を、わざわざグッドデザイン賞に応募する意味がなくなってきていると思います。
例えばApple社の製品は、どれも洗練された機能美を持っていますが、Appleが自社製品をグッドデザイン賞に応募する事はないと思います。
厳しい事を言うようですが、Appleにとって、ipodに現在のグッドデザイン賞をもらっても何の意味もないはずです。
当初のように、良いデザインの製品を見つけ出して、無償で勝手に賞を与えるのならば、今でも価値のある賞であったはずです。
デザインがビジネスと大きく関わっているのは当然ですが、製品の威張り度を上げるためにグッドデザイン賞をもらいたい人がいて、Gマークの使用によって使用料をもらえる人がいれば、そこにデザインとあまり関係の無いビジネスが生まれてくるのが当然のような気がします。
私の単純な頭で考えても、運営側からすれば、たくさんの製品に賞を与えた方が儲かっちゃうという事実があるわけで、そこらへんがグッドデザイン賞の価値を落としているもう1つの原因ではないかとも思います。
対抗する訳ではないのですが、ついでに私も『ナイスデザイン賞』というのを作ってみました。
このページを見た人には、もれなくナイスデザイン賞を差し上げますので、以下のロゴマークをダウンロードして、いろいろな場面でご活用下さい。
(使用例:制作したウェブサイトにこのマークを貼り、ナイスデザイン賞受賞サイトにする)

あっもちろんご利用はすべて無料ですよ(笑)