人それぞれに、心に残っている漫画があると思います。
自分の小学生の頃を思い返してみると…もちろん「ドラゴンボール」や「北斗の拳」や「聖闘士星矢」のような超メジャーな漫画も思い浮かぶのですが、それよりも真っ先に思い浮かぶものといえば、Moo.念平の「あまいぞ!男吾」です。
とにかく絵がうまいし、主人公の男吾が小学生ということもあって、当時は親近感のようなものもあったと思います。
毎日のように、お姫や操を真似してイラストを描いていました。
中学生の頃を思い返してみても、「あまいぞ!男吾」が中学生編に突入したので、やはり記憶に残る思い出深い漫画といえば、「あまいぞ!男吾」です。
ただ、もともと漫画よりもアニメのほうが好きだったこともあり、漫画を読む機会がだんだん少なくなっていった気がします。
むしろこの頃は、漫画を描いていた時期でした。
そんなこんなで高校生ぐらいになると、あまり漫画を読まなくなっていたのですが、そんな中でもバイブルのような存在となった漫画が「エデンで会おう」です。
久しぶりに本棚から出して眺めていると、なんとも感慨深いものがあります。
高校は美術科で美術部だったこともあり、放課後も夏休みも石膏デッサンに明け暮れる毎日でした。
授業でも、1日のほとんどがデッサンという日もあり、普通科の生徒からすると、信じられないようなカリキュラムだったと思います。
高校生活を題材にした漫画は日本では多いのですが、サッカー、野球、バスケ、テニス、バレーなど、スポーツ系の部活が題材になることが多いですよね。
美術科や美術部のような地味ぃ〜な環境が漫画の題材になることって、当時はあまり無くて、「電影少女」ぐらいだったと思います。
そんな中、「エデンで会おう」は、美術系高校の独特の心理状況や空気感まで深く切り込んだ、ある意味マニアックな漫画です。
原作者である惣領冬実の高校時代をリアルに描いているらしく、自分たちの境遇と近いこともあり、なにかと共感できる部分が当時は多かったです。
今となっては、「東京芸大がダメなら絵をやめる」なんて、アホらしい極論に共感してた自分が少し恥ずかしいぐらいですが、思春期って意外とそんなもんですよね。
美術科に共通するような、風変わりな先生のことや、進路についてのあるあるネタなど、興奮できるポイントはいくつもあるので、そっち系の学校に通っていた人にはオススメできる漫画です。
ちなみに、普通科の生徒が見てもあまりおもしろくない可能性が高いので、はっきり言ってオススメはしません。
当時は共感することにおもしろさを見出していたのですが、今となっては、見るものすべてがキラキラしていた当時を思い出せる、数少ないアイテムのひとつとして、大切な一冊になっています。