2014年03月26日

スズキ ハスラーの5速マニュアル車についてのいろいろ。

スズキ ハスラー

テレビCMで「遊べる軽」などと謳っている、スズキの新ラインナップ「ハスラー」が、数日前にやっと納車されました。
1月3日に注文して、納車が先日なので、かなり注文が殺到しているのでしょうね。
生産体制を整えるのに時間がかかってしまったというのも納期が遅れる原因だったようです。

ハスラーの正面写真

そもそも、東京モーターショーでいきなり発表して、速攻で販売開始という暴挙をするから、生産ラインの設定を読み間違えるわけです。
もう少しユーザーの反応を確かめた上で、人気グレードを重点的に生産できるライン設定をしっかり行なっておけば問題無かったと思うんですよね。
他のメーカーが追随するまでの時間稼ぎをするためというか、ひとり勝ちを狙うためにギリギリまで発表を控えていたのではないかという気さえしてくるのですが、それもまた、ひとつのマーケティング手法といえます。

ハスラーの斜めからの写真

さて、すでにネットでは、ハスラーのいろいろなレビュー記事が掲載されているので、今さら乗り心地や収納性についてレビューをするつもりは一切ありません。
私の場合は、ある一点だけに絞って、個人的に感じたことを記事にしてみたいと思います。
そのある一点というのは・・・

5速MT シフトノブ

アクセル・ブレーキ・クラッチペダル

写真でもわかる通り、実は5速マニュアル車です。
別に、マニュアル操作でドライビングを楽しみたいからとか、MTの方が女の子にモテるはずだとか、CVTより耐久性を重視するためとか、そういう理由でマニュアル車にしたわけではありません。
今まで、偶然マニュアル車にしか乗ってこなかったので、単に慣れていて安心感があるからというだけです。

マニュアル車が圧倒的少数派となってしまった現在ですが、さまざまな理由でマニュアル車を選択する人は一定数いるはずです。
そんな人達の参考になるかどうかは別として、“ハスラーのマニュアル操作について個人的に感じたこと”の一点だけに絞って、レビューを書いてみることにします。

テールランプ

そもそも、5速MTを選択する人が気になるところといえば、

[1] 発進のしやすさ
[2] シフトアップのしやすさ

といったところだと思います。

まずは [1] の「発進のしやすさ」についてですが、発進時のトルクがあまり感じられないなぁ…と最初は思いました。
そう感じた理由は2つあると思います。

1つ目は、タイヤの外径が大きいということです。
ハスラーは、ワゴンRをベースとして開発されているので、基本構造はワゴンRと共通です。
ところが、タイヤの外径が若干異なります。
ワゴンRは、ホイール径14インチで、タイヤ外径557mmです。
それに対してハスラーは、ホイール径15インチで、タイヤ外径579mmです。
エンジンパワーもトランスミッションも全く同じなので、タイヤ外径の大きいほうがスピードは出ますが、発進時のパワーが弱く感じられる原因になりそうです。

スチールホイール

2つ目は、かなり個人的な理由ですが、今まではエブリィ(貨物)に乗っていたため、高めに設定されたギア比に体が慣れていたということです。

エブリィの変速比は
1速:5.106
2速:3.017
3速:1.908
4速:1.264
5速:1.000

となっているにの対して、ハスラーの変速比は
1速:4.300
2速:2.470
3速:1.521
4速:1.093
5速:0.897

となっています。
こうしてみると、さすがに積載量の多いエブリィはギア比が高めに設定されています。
だからといって、ハスラーがクロスミッションという訳ではなく、エブリィの4速とハスラーの5速がほぼ同じギア比となっています。
ざっくりな表現で言うと、エブリィはパワー型、ハスラーはスピード型ということになります。
エブリィの1速でのギア比に慣れていた私にとっては、ハスラーでの発進時に違和感があるのは当然かもしれませんね。
エブリィでの発進時は、半クラッチはほとんど使わず(0.3秒ぐらい?)、アクセル操作メインで発進が可能でした。
それに対して、ハスラーの場合は1〜2秒ぐらいは半クラッチを維持する感じとなります。
ただ、ギア比の特性とクラッチ操作の感覚の違いについては、ここ数日ですぐに慣れました。
今、エブリィに乗ると、「1速が全然進まなくてイラッとするー!」となることでしょう。

ちなみに、「ジムニー」はエブリィのトランスミッションと全く同じですが、ホイール径16インチで、タイヤ外径686mmということで、うまくバランスが取れています。
このあたりは共通の部品を使い回すことで、コスト削減にもつながっていることと思います。

ヘッドライト

次に [2] の「シフトアップのしやすさ」についてですが、これは予想をはるかに超える快適さです。
変速時に、ギアがスコンッと入る気持ち良さと、一度発進してしまえばグイグイ加速していく感じは、エンジンパワーがダイレクトに伝わるMTならではの爽快感です。
マニュアル車のそういった部分に魅力を感じる人が多いのもわかるような気がします。

サイドミラー

結局、マニュアル車の操作(特にアクセル+クラッチの加減)のしやすさなどは、慣れの問題でしょう。
クラッチ操作・変速操作に限らず、前回の車に長く乗っていれば乗っているほど、車を乗り換えた時に感じる違和感は大きくなるはずです。
なので、あまりいろいろ考えずに、最初は普段以上に慎重に操作をし、普段以上に安全に気を配って運転を続けていれば、そのうち自分の手足のような感覚になるはずです。

結局予想できたことですが、ハスラーのMTについての特性をまとめると、「習うより慣れろ」です。

ハスラーのエンブレム

ちなみに、ハスラーはマニュアル車にもアイドリングストップ機能が付いています。(Gグレードのみ)
CVT車の場合には、コンピューターが車速を計算して、自動的にエンジンを始動したり停止したりするわけですが、MTの場合には制御方法が全く異なります。
信号待ちなどで停車した時に、ギアをニュートラルに入れ、クラッチから脚を離すとエンジンが自動的に停止します。
再びクラッチを踏み込むとエンジンが始動します。
エンストした時も、ギアをニュートラルに入れ、クラッチを踏み込むだけで自動的にエンジン始動です。

マニュアル車の場合は、キーのオン・オフを使い、自分の好きなタイミングでアイドリングストップしたほうがわかりやすい気がするのですが、せっかく付いている機能なので、ありがたく活用させていただきます。

メーターパネル

というわけで、CVTの圧倒的な便利さに押されて、絶滅危惧種となりかけているマニュアル車ですが、運転に慣れている人にとってはメリットもあります。
車の構造をしっかり意識して走ることのできるMTでは、車体が長持ちするし、使用目的によっては実燃費もCVTより良くなります。
そして何より、事故が少ないです。
MT車の割合が少ないから事故が少ないというわけではなく、事故率そのものが少ないようです。
ドライバーの心理状況などを含めた交通事故に関する資料を見ると、よくわかります。
>>ドライバ心理と安全運転(PDFファイル)
ドライブレコーダーを付けたり、エコ運転を心がけている人のほうが事故率が少ないなど、おもしろい結果も出ていますね。
結局のところ、CVTでもMTでも、Easy Drive をやってはいけないということなのですが、CVTのほうがそれに陥りやすいということですね。
操作ミスをしてしまった際、車が暴走せずにエンストしてくれるのも、MT車の特長といえます。

ボンネットを一度も開けたことの無い女性が、後部座席に子供を乗せて、赤信号で化粧、青信号で猛烈な加速でダッシュ、車体を左右に揺らしながら車線変更を繰り返す…
そんな一般道での最強レーサーの姿を見るたびに、CVTの偉大さを実感してしまいます。

コンピューターによる自動運転などで、絶対に事故が起きないのならば別ですが、もう少しマニュアル車の評価(というよりは車の構造を理解することの意義)を見直しても良いのではないかと個人的には思っているところなのです。

ハスラーの斜めからの写真

話がかなり脱線しましたが、とにかくこれから、ハスラーの5速マニュアル車と長い付き合いをしていこうと思っています。
テレビCMで「遊べる軽」などと謳っていますが、これといって遊ぶことはせず、堅実な営業車として活躍してくれることを期待しています。



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posted by a2me at 04:07 | Comment(17) | TrackBack(0) | 各種レビュー記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
死ね
Posted by at 2014年05月12日 08:53
同感です
マニュアル車が、もっと増えて欲しいです。
乗れない人は乗らない世の中になれば、事故も減りますよね。
Posted by マイ at 2014年05月25日 10:02
ワゴンRとハスラーでは最終減速比が違います。
タイヤ直径はハスラーが大きいですが、最終減速比も合わせて計算するとワゴンRの方がハイギヤードになってます。
机上の計算ですがご参考まで。
Posted by at 2014年08月19日 20:54
詳しい情報をありがとうございます。
デフギアが盲点になっていましたが、ワゴンRの方が実際はハイギヤードになっているということですね。
たしかに、車種の使用目的からすると、そのような設計になっていないとおかしいですね。

ハスラーの場合、ただボディのみを載せ替えただけではなく、一応SUV風の使用ができるよう、細かい変更が加えられているようなので、安心しました。
ただ、最終的なギア比を考慮しても、発進時のもっさり感がどうしても気になるのですが、これは15インチの鉄製ホイールの重量(実際に重さを計測したわけではありませんが)からくるものかもしれません。
タイヤ外径はそのままに、インチダウンをすれば、もう少し軽快な走りになってくれそうな気もするので、そのうち(タイヤ交換時期に)ホイール交換はする可能性が高いです。
Posted by a2me at 2014年08月20日 05:56
自分もハスラーのMTです

正直何度運転してもATは信用出来ません
少しでも油断するとするすると前に進んでしまう
いいなぁと思うのは急な坂道発進か渋滞の時くらいです

冬道なんてとんでもない目に合いました

事故防止の為にも
車をより実感するにもMT車は最高だと思います

またMT!?今時!?とか言われましたけど
めげませんよー
MT車は車の体調がいち早く分かるんですからっ

MT車大好き💕
Posted by sunshine at 2014年08月20日 22:54
黒子のバス
Posted by at 2014年10月24日 00:36
こんにちは。買い換えを検討中です。
詳しい内容ありがとうございます。

ながーく、ミッション車に乗っており
オートマは乗ったことないんです。
最近の車は、ボタンでエンジンかかると
二日前に知りました。
ハスラーにしようかなあ

Posted by ポンタ at 2015年05月01日 22:47
>ポンタさん

ハスラーの場合、ボタンでエンジンがかかるのはCVT(G,X)のみで、MTは昔ながらのキーを差し込んで回すタイプです。

それでも一応は現代の車なので、電波式のドアロック機能や、イモビライザー、ABSなどは、MTを含む全グレードに付いています。
Posted by a2me at 2015年05月02日 04:11
先日ハスラーG 4WD MTを予約してきました。

記事にある通り MT乗りは何かと言われますが
バイクのように 自分で操作して車と一体になる感じはオートマにはありません。
歴代MT車な自分にとって、ハスラーにMT設定してくれたスズキに感謝です。

ターボがあれば最高だったんですけど、記事を見て安心しました。
納車がとても楽しみです。

詳細有難うございました。
Posted by ニャスラー at 2015年05月02日 10:28
>ニャスラーさん

コメントありがとうございます。
アルト ターボRS もそうですが、ターボ車にはなぜかMTの設定が無いですよね。
高速道路を、ハスラーで100km/h走行している時、CVTだとエンジン回転数は2500rpmぐらいだと、どこかの記事に書いてありました。
MTの場合は、もちろん5速走行で、4000rpmを超えています(笑)
このあたりのことも、ターボ車にMT設定が無い理由としてあるのかな?などと考えています。

ハスラーのMTは、50km/h以上の速度をすべて5速で対応しなければならないところが若干きついところで、高速道路はあまり走りたくないですね。
高速道路用に、もう一段6速が付いていてくれると助かるのですが。
ともあれ、一般道なら十分すぎるほど楽しい車なので、私には十分です。

納車が楽しみですね。
Posted by a2me at 2015年05月07日 14:10
ハスラー、欲しいです。
マニュアル車ならなおいいのですが、値段は高くなるのでしょうか?
Posted by アレパパ at 2015年10月17日 16:39
>アレパパさん

トランスミッション単体の価格は同じ設定にしているようです。
現代ではMTのほうが生産コストが高いはずなので、そういう意味ではMTのほうがお得と言えるかもしれませんが…

ハスラーにMT設定があるのは、AグレードとGグレードのみです。
Aグレードでは、前述の通りMTもCVTも同じ価格です。
Gグレードでは、CVTのほうに、運転をアシストする電子制御がいろいろと追加されているので、そのぶん価格も高いです。
MTのほうは、ドライビングテクニックでなんとかしろ!ということなのか、アシスト機能は何も付いていないため、そのぶん価格も安くなります。
Posted by a2me at 2015年10月21日 22:26
同感ですMT車の良さを見直すべきです。
高齢者による店舗への突っ込む事故もMT車なら被害は軽減できると思います。
MT車=走り屋ではなくMT車は的確な運転が可能な良いモノだと再認識してほしいですね。
僕もMT車に乗ってますが次はハスラー良いなっておもってます。
Posted by Nao at 2016年02月05日 12:49
高齢者(若い人も)のアクセルとブレーキの踏み間違いは、ほとんどAT車(CVTを含む)と思われます。MT車は発進加速時は、両手両足をすべて使用するので、運動能力が必要です。方やAT車は同時動作が無い分、低運動能力の人でも免許が取れる、高齢になっても運転できるのです。
運動能力が低いということは、ハンドルさばきも下手なんで、ハンドル操作ミスのよる事故多くあります。
MT車は、発進時のエンストやギアシフトがギクシャクして、運動能力の低下が運転者や同乗者も分かります。が、AT車の場合は、ほとんど分かりません。
だれでもが運転免許が取れるでは無く、運動能力が低い人は免許取得や更新が出来ないと、事故は減ると思いませんか。
高齢者はMT限定、AT限定は最初の3年間は、どうでしょうか。
Posted by 煙無しカー at 2016年05月29日 11:31
>煙無しカーさん

たしかに、交通事故を無くす!とか、交通事故を減らす!というのが目的でしたら、おっしゃるとおりだと思います。
MT車に慣れてしまえば(慣れるまでは危険かもしれませんが)、AT車よりも安全な乗り物のような気がします。
ただ、私が住んでいる地方で、高齢者や子育て中のママさんを見ていると、車が無いと生活が成り立たない場合が多く、しかもほぼ100%がオートマしか運転できないと思われます。
そのような状況の中で、なんとしてでもMT免許を取得するか、それが無理なら車生活を止めるか、という厳しい選択を迫るのは、かなり酷なことかと…
しかも、圧倒的多数派であるオートマ様に逆らうと、MT車そのものが生産されなくなるのではと心配しています。
オートマ様には決して逆らわず、ひっそりとMTを楽しむ…これだと思います!
Posted by a2me at 2016年05月30日 15:00
ハスラーを検索して辿り着きました。
具体的なインプレありがとうございます。

MTに3年以上乗らないとATには乗れない。
75歳以上はAT禁止。
これだけで交通事故は減らせますね!

アクセルとブレーキの踏み間違いなど論外。
クラッチ踏み切れなくなったら引退ですね。
Posted by mini at 2017年03月03日 03:16
ハスラー良いですね!
自分はワゴンRですが、MTに拘っています。a2meさんのMTの好みや考え方には同感できる部分が多いです。確かに高速巡行用に超ハイギアードで静かな6速が欲しいですね。現行のワゴンRに至ってはMT車が無いです(涙)MTはともかくアナログタコメーターが無い事も哀しい。ハスラーも残念ながらデジタルマルチメーター切り替え式タコなんですね。でもMTを残してくれてるだけ鈴木は偉いと思ってます。やっぱり次はハスラー買おうかな…
Posted by 私の可愛い踊り靴 at 2017年04月25日 17:43
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