2013年10月18日

液晶ビューファインダーの使い心地について。

液晶ビューファインダー

強烈な太陽光の下でムービーを撮影する際、カメラの液晶画面が見えにくくなることがあります。
そうすると、被写体にピントが合っているのかどうかがわかりづらかったり、フレーミングすらできているのかどうか不安になったりします。
そんなストレスを無くして、少しでも快適な撮影ができるように、カメラに液晶ビューファインダーを装着してみました。

私自身、液晶ビューファインダーが役に立つものかどうか、以前から気になっていました。
事前に使い心地などをいろいろ調べたりもしたのですが、結局のところ、自分自身の目で接眼レンズを覗いて見なければ、何の判断もできません。
そんな経緯も踏まえたうえで、実際に液晶ビューファインダーを使用してみた感想を、簡単にまとめてみたいと思います。


液晶ビューファインダーとは


この記事を読んでいる人には説明の必要は無いかもしれませんが、一応、書いておきます。
液晶ビューファインダーとは、カメラの液晶画面を拡大表示させるためのルーペと、太陽光などをシャットアウトするための遮光フードがひとつになったものです。
カメラ背面の液晶モニターを、ビデオカメラの電子ビューファインダー(EVF)と同じような感覚で使えるようにできます。
商品の形はさまざまですが、今回は以下のような、オーソドックスなものを購入してみました。
液晶ビューファインダーの外観


このフードをカメラの液晶モニターに装着することで、屋外でも液晶画面がクッキリ見えるようになる・・・はずです。
また、液晶画面を拡大表示してくれるので、被写体の被写界深度が浅かったり、被写体をマニュアルフォーカスで追う際に、狙ったところに確実にピントを合わせるのが容易になる・・・はずです。


液晶ビューファインダーの外観


まずは外観の特長を見てみます。

かなり大きめのアイカップが付いていて、目のまわりを広めに包み込んでくれるので、安心してレンズを覗くことができます。
その反面、携帯性は悪くなってしまいますが・・・
アイカップの形状


液晶ビューファインダーの取り付け方法は、あらかじめ専用の金属製フレームをカメラ側に取り付けておかなければなりません。
専用フレームは、三脚穴を利用して装着します。
フレームとカメラが接する部分から、わずかに光が入るかもしれないので、枠に沿ってクッション材を貼りこむという改造もしてみました。
専用の金属製フレーム


カメラに取り付けた専用フレームとフードは、マグネットでピタッと張り付く仕組みなので、簡単に着脱ができます。
ただこの方法で取り付けた場合、バリアングルモニターを搭載するカメラでは、モニターを可動することはできなくなります。
フレームとフードの接続


これもちょっとした改造ですが、静止画と動画を交互に撮影するなど、頻繁にフードを着脱する必要がある際は、フード側にネックストラップなどを付けておくと良いかもしれません。
光学ファインダーで静止画を撮影したい時は、素早くフードを外して、首から提げておくことができます。
ネックストラップの取り付け加工


フードの内面には、植毛加工が施してあり、液晶画面の光がフード内で乱反射するのをしっかり抑えてくれています。
このあたりの作り込みは良いですね。
フード内面の植毛加工


三脚穴を使用して固定する取り付け方法でもいいのですが、バリアングルモニターを可動できる状態でフードを取り付けたくなってきます。
そんな時には、フレーム部分にちょっとした工夫をすれば大丈夫です。
例えば、伸縮率の少ない強力なゴム(からまないタイプの合成ゴムなど)を専用フレームに張っておき・・・
ゴムの取り付け方法


バリアングルモニターにゴムを通して取り付ければOKです。
試してはいませんが、普通の輪ゴムだと伸び伸びしすぎて弱いので、うまくいかないと思います。
バリアングルモニターへの装着


EOS60D のバリアングルモニターに取り付けてみた状態です。
EOS60Dへの装着


どことなくビデオカメラっぽい見た目になりました。
装着後の側面


斜め後ろから見たところ。
装着後の背面


斜め前から見たところ。
特殊な業務用ビデオカメラっぽく見えます。
装着後の前面




液晶ビューファインダーの使用感


実際のところ、液晶ビューファインダーが役に立つのかどうかということが、一番重要なところです。
液晶ビューファインダーを覗いてみる前は、どうせ違和感のある映像になってしまうだろうとか、四隅の映像が歪んでしまうのではないかとか、とにもかくにもマイナスのイメージばかりを想像していました。
ところが、恐る恐るファインダーを覗いてみると、まったく違和感無く、目の前いっぱいにモニターの映像が広がっていました。
そこそこ精度の良さそうな、倍率2.8倍のルーペのおかげで、ピント合わせは確実にやり易くなっています。
高詳細な液晶モニターであればあるほど、その実力を発揮できるでしょう。
ただ、画面が巨大に表示される分、被写体をどのようにフレーミングするかなど、構図に関する作業は、若干やりにくくなるような気がします。
接眼レンズの内部


屋内で入念に試し撮りをしたうえで、屋外でのイベント撮影にカメラを持っていってみました。
感想としては、太陽光の影響を受けずに、ハッキリと液晶画面が見えることで、撮影がかなり快適になりました。
太陽が真上にある時は、モニターとフードのわずかな隙間から光が漏れてくることがありましたが、クッション材の効果のおかげか、あまり気にするほどではありませんでした。
ピントの山もつかみやすく、動きの速い被写体でなければ、映像を確認しながらフォーカスを合わせ続けられる安心感がありました。

液晶ビューファインダーをバリアングルモニターで使う際の注意点も、1つだけ思うところがあります。
それは、可動する箇所(ヒンジ)の強度が心配なことです。
EOS60D のバリアングルモニターのヒンジ部分は、実はそこまで丈夫ではありません。
以前、ヒンジ部分にヒビがあるのを発見して修理に出した経緯があるのですが、その際の担当カスタマーさんも、この部分は壊れやすいと言っていました。
今回のように、液晶ビューファインダーを付けた状態だと、なおさらヒンジ部分に大きな力がかかるので、意識的に丁寧に扱ったほうがいいかもしれません。


まだ1日しか使っていないので、自信を持っては言えないのですが、屋外でのムービー撮影の現場では、とりあえず必須のアイテムになりそうな感じです。
機材のコンパクトさが損なわれることと、物理的な衝撃に弱くなるということを除けば、すべての面においてプラスになります。
とりあえずカメラバッグに入れておこうという気持ちにさせるコンパクトさではありませんが、とりあえず入れておいて損は無い便利アイテムだと思いますよ。



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posted by a2me at 00:20 | Comment(0) | TrackBack(1) | 動画・写真・カメラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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