
新年早々ということもあり、スッキリすることをしてみようと思います。
他人のコンテンツを無断転載してカッコつけている悪徳サイト(いわゆるパクリサイト)を、検索結果から除外してみようと思うのです。
私が以前書いた記事「EOS 60D にバッテリーグリップを装着!」の文章と画像がそっくりそのまま、第三者のブログに盗用されました。
まぁこのような事はよくあることで、今までは、パクリ記事を見つけても無視してきました。
特に、引用した旨が書かれてあったり、元記事へのリンクが張られていれば完全スルーです。
ただし今回のサイトは、画像を全て自身のサーバーにアップロードし直したり、記事のタイトルのみを変えるなどして、独自のコンテンツのように見せかけています。
さらに、その記事ページから、とあるショップページへ誘導されるようになっていて、そのネットショップがまた、わざとらしいぐらい怪しさ満点なのです。
どんなショップかというと、かたことの日本語を駆使して、メーカー非公認のバッテリーを大量に販売しているショップです。
Verisign や TRUSTe のバナーもダミーであり、その時点ですでに悪質な運営方法を行なっているわけですが、きちんと買い物ができるのかどうかも怪しいところです。
今回のパクリもスルーしようかとも思ったのですが、とてつもなく怪しいショップへの誘導手段として、私の記事が利用されているということに、少しばかりイラッとしました。
私が人生初の腰痛で苦しんでいて虫の居所が悪かったということもありますが、今後、著作権を守るための一連の流れを確認しておく意味でも、このパクリサイトを月に代わっておしおきしたいと思います。
まずはパクリの証拠を残す
まずは、ウェブ魚拓でパクリの証拠を残しておきましょう。
ウェブ魚拓
これは、ウェブページを、第三者によってそのままネット上に保存してもらえるサービスなので、パクリの証拠を残すのに役立ちます。
今回はウェブ魚拓を利用していますが、怪しいショップサイトへの誘導へ繋がる可能性があるため、リンクは掲載しません。
whois検索で情報収集
whois情報検索を利用して、ドメインやサーバーの管理者を、一応調べました。
whois情報検索
すると、ドメイン管理者の欄に、ある中国人の名前が出てきました。
この中国人について、もう少し突っ込んで調べてみると、ある時点から、同じく中国出身でアメリカ在住の、グーグル社員と同姓同名を名乗るようになっています。
このグーグル社員はいい迷惑でしょうし、それ以前の名前も果たして本名かどうかはわかりません。
サーバー管理会社も、スペインやオーストラリアのものを利用していて、なかなか対応が難しそうですね。
本人に削除依頼をしてみる
ショップサイトのかたことの日本語や、扱っている商品(互換バッテリー)からみても、パクリ主は中国人である可能性は高いと思います。
正統派のパクリブログらしく、どこにも管理者の連絡先が記載されていないのですが、ショップの方にはメールアドレスが記載されていて連絡が取れそうです。
ただし、パクリ主が中国人だった場合は日本語での対応はできなさそうだし、かといって、私も中国語はできません。
これは、Googleの検索結果から除外(いわゆるGoogle八分)してもらうのが手っ取り早そうだという結論に達しました。
Google に記事の削除依頼をする
パクリ記事自体が消滅するわけではないし、悪質なショップサイト自体が無くなるわけではないので、根本的な解決にはなりませんが、今回のパクリ記事だけでも検索結果から除外してもらおうと思います。
方法はそんなに難しいことは無く、該当するURLなどをグーグルに送信し、削除依頼の手続きを済ませればよさそうです。
ただし、いろいろと注意しなければならないこともあるので、その部分はしっかり押さえておく必要があります。
例えば、さまざまなリスクが発生する場合もありますので、まずは冷静になって客観的に状況を判断し、削除依頼をするほどのことかどうかを考えてみると良いと思います。
著作権侵害の申し立てに対する Google のポリシーを、以下で確認しておきましょう。
デジタル ミレニアム著作権法
パクリ記事の削除依頼は、以下のページから行なえます。
削除依頼をする際は、申請内容に絶対に嘘偽りがあってはなりません。
Google 著作権侵害による削除依頼フォーム
削除依頼フォームへの入力は、自身の個人情報を入力した後、
1.著作物がどのように使用されているかの具体的な内容
2.著作物を盗用された、自分のサイトのURL
3.著作物を盗用している、第三者のサイトのURL
を入力します。
最後にデジタル署名などをして、「送信ボタン」をクリックすれば完了です。
削除申請の状況は、ウェブマスターツールで確認することができます。
検索結果から除外された
3日後ぐらいにグーグルからメールが届き、該当するパクリ記事を検索結果から削除した旨が記載されていました。
グーグルは、どちらの記事が先に投稿されたかを、ある程度正確に判断できるようなので、なんらかの証明をする必要も無く、すみやかに対応してもらえました。
ただし、検索結果から削除されたのは記事単体のURLであり、月別アーカイブやカテゴリー別のページに表示されるパクリ記事は、相変わらず検索結果に表示されます。
どうしても気になるようでしたら、それらのページも削除依頼に追加していけばよいのかもしれませんが、ちょっと飽きてきたのでこれで良しとしておきます。
他にもコピーブログがいっぱいあった
よくよく調べてみると、WPで作られたメインのパクリサイトのコピーブログがたくさんありました。
それら全てのコピーブログで、やはり私の記事もパクられていました。
あんなに適当で怪しいショップサイトのために、ここまでがんばってパクリ活動を行なう意味がわかりません。
とりあえず、パクリ主がコピーブログを作るために利用している、無料のブログサービスは以下のものでした。
・エキサイトブログ
・ライブドアブログ
・ジュゲム
・ヤプログ!
・ウェブリブログ
・その他、アメリカと中国のブログサービス
このパクリ主、なかなかすごい行動力ですね。
各ブログ運営会社の対応
アメリカと中国のブログサービスに、記事の削除申請をするのは面倒なので諦めます。
ただ、日本のブログサービスの場合は、運営会社に申請すれば、なんらかの対応をしてもらえそうです。
とりあえず、上記の国内ブログ運営会社に、記事の削除申請をしてみました。
どの会社も、記事の削除申請に対応する窓口があり、そこからメールを送ることができるようになっています。
ただ、ジュゲムだけは記事の削除申請のやり方に少し戸惑いました。
なんと、プロバイダ責任制限法関連情報Webサイトから関連書類を印刷して記入し、運転免許証などのコピーまたは印鑑登録証明書と共に、それらの書類を郵送すれば受け付けるとのことです。
IT企業のくせに、ネット上で申請できないの?と思いながらも、面倒な仕事を増やさないでくれという遠回しな表現なのだろうと理解しました。
ただ、一般のお問い合わせフォームに、「規約違反サイトについて」という選択項目があったので、正しい方法ではないかもしれませんが、そちらから依頼させてもらいました。
依頼メールに対するそれぞれの会社の対応は、以下のようになっています。
エキサイトブログは数時間後に対応完了のメールが届き、該当する記事だけが削除されていました。
ライブドアブログも数時間後にメールが届いたのですが、パクリ主に対応をしてもらうかどうかの、私への意志確認メールだったため、お願いすることにしました。
ライブドアブログの今後の対応に期待したいと思います。
ジュゲムも翌日には返信メールが届いたのですが、予想通り対応はできないとのことで、当事者でなんとか解決してね!ということです。
それでもだめなら書類(上記のもの)を郵送すれば、保障はしませんが対応はしますとの内容が記載されていましたが、それは面倒なのでやめておきます。
よくよく考えてみると、違法なブログを運営しようと思えば、海外のブログサービスかジュゲムを使えば、通報による記事(またはブログ)の削除はされにくいということになります。
コラコラ、そんな悪いこと考えちゃいけませんよ。
記事の削除申請メールを送って2日ほど経ちますが、ヤプログ!とウェブリブログからは、今のところ反応なしです。
問い合わせのメールが多すぎて、人手が足りていないのでしょうか?
なにか今後の動きがあったら、ここに追記というかたちで書き込んでいきたいと思います。
※追記【2013/01/29】
その後のブログ運営会社の対応です。
ライブドアブログは、プロバイダ責任制限法に沿って、猶予期間内(7日間)にパクリ主からパクリ行為に対する弁明がなかったとのことで、本日付で該当記事を削除していただけました。
ウェブリブログも、ライブドアブログとほぼ同じ対応内容で、本日付で該当記事を削除していただけました。
ヤプログ!からは相変わらず何の反応もなく、おそらく今後もだんまりを貫くでしょう。
というわけで、ユーザーからの問い合わせに対して、担当者がきちんと対応をしてくれたのは、エキサイトブログ、ライブドアブログ、ウェブリブログでした。
実際に問い合わせてみて、ユーザーからのメールにひとつひとつ対応してくれるカスタマーサポートの仕事量は、相当なものだろうと予想できます。
サポート担当者は、インターネット界隈のさまざまな知識や、言葉遣いなども含めた文章力や、マニュアル以外にも対応できる柔軟な考え方や判断力など、かなり総合スキルの高い人でないと務まらないでしょう。
カスタマーサポートという部署は、会社としてもそれなりにコストのかかる部分となっていそうな気がします。
今回の件に関してだけかもしれませんが、基本的にユーザーからの問い合わせに対応するつもりがないジュゲムとヤプログ!は、カスタマーサポート担当の専属スタッフがいないのではないかと疑ってしまいます。
今回の悪徳ショップについて
一応、この悪徳ショップのおもしろかったところを、いくつかご紹介したいと思います。
まずトップページを見ると、デザインに難がある普通のネットショップのような気がしますが・・・

サイドバーにある、Verisign や TRUSTe のバナーはニセモノです。
Verisign のロゴをクリックすると、なぜか PayPal のページへ行くし、TRUSTe のロゴはクリックすらできません。
次に、会社案内のページがあったので興味津々でクリックすると・・・

かたことの日本語で、ISO 9001 の自慢と、本家メーカーを凌ぐ性能の互換バッテリーを扱っていることが書いてあり、会社の情報が何一つ掲載されていません。
会社名とか、代表者名とか、そういうものを見たかったわけですが、どうやら何かを自慢するためのスペースと勘違いしているようですね。
その得意の自慢もイマイチで、三枚の写真と「展覧会」の文字が何を意味しているのかさっぱりです。
さらに、何かの証明書のような写真が6枚も貼られていて、このサイトがあやしいサイトではないことを、一所懸命一生懸命にアピールしていますね。
CEマークの証明書をサイト上に掲載しているサイトなんて見たことがないので斬新ではあります。
この証明書の画像が小さすぎて、会社名が読み取れないところもなかなか頭脳派といえます。
支払い方法のページを見てみると・・・

買い物をして、商品がきちんと届くのかどうかは別として、支払いは PayPal が利用できそうです。
というか、PayPal しか利用できません。
「合計金額 50,000円(税込)を超えた場合には、他のお支払い方法をご利用下さい。」との表記がありますが、PayPal 経由以外の支払い方法はありません。
また、ページの上と下で、使えるカードの種類に違いがあるのはなぜでしょう。

お問い合わせページも見てみたいですね・・・
と思って、ナビゲーション部分の「お問い合わせ」ボタンをクリックすると、いきなりメーラーが起動してビックリしました。
なるほど、そういうつくりですね、今どき大掛かりなショッピングサイトでメールフォームが無いのも珍しいですね。
サイドバーにあるユーザーレビューも、以下のように微妙な感じです。

というわけで、こんなサイトのために、大切な時間を無駄にしてしまいました。
このようなパクリ主の場合、記事が削除されたからといって考えを改めるわけではなく、また新たなパクリサイトを生産するような気がします。
そのような行動にいつまでも付き合っていたら、ほんとに時間の無駄なので、今後はやさしく見守るだけにしておこうと思います。
最後に
新年早々、スッキリしようと思ったのに、スッキリどころかすっかり嫌な気分にさせられました。
今回の教訓としては、パクリ記事は書いたもん勝ちという印象ですね。
パクられた方が、それに対応する労力の方がはるかに大きく、がんばって削除させたとしても、その1記事だけですからね。
他の膨大なパクリ記事は残っているわけで、パクリ主からしたら痛くも痒くもないでしょう。
そもそもの問題は、人が一生懸命作ったものを意図的にパクるという、理解し難い精神状態にあります。
これはネットの世界だけではなく、リアルな世界でも同じことが言えるでしょう。
十人十色ですから、そのような精神状態にある人が存在することも理解はできるんですけどね。
製作者としてのプライドや、他人を思いやる気持ち、日本人としての誇りと精神を持っていれば、パクリという行為は恥ずかしくてできないのではないかと思っているのですが・・・
どのように育って、どのような考えを持っているのか、世の中のパクリ主の方々と、パイナップルジュースでも飲みながら、一度ゆっくりとお話してみたいところです。