2011年12月18日

アドビ イラストレーターの3D効果で遊んでみよう!

アドビ イラストレーター 3D

ベクターグラフィックスを制作するための世界標準ソフトといえば、Adobe社の「Illustrator」ですね。
ベジェ曲線と呼ばれる独特の描画ルールで、自由な形のオブジェクト(図形)を描き、オブジェクト同士を重ね合わせることで、思い通りのイラストを表現することができます。
例えば、会社のロゴマークや、イベントのマスコットキャラクターや、新聞の折込広告や、ウェブページのデザインなどを自由に制作できるというわけです。

はっきり言って、これだけの機能でも十分すぎるぐらい十分なのですが、Illustratorのバージョン11(CS)からは、2Dで描いたオブジェクトを3D化(立体化)することができます。
専門的な3D制作ソフトとは違うので、本格的な3D空間を扱うことはできないのですが、それなりに遊べるツールというか、Illustratorの使い心地のままで気軽に3Dのオブジェクトを作成できるので、ちょっとした気分転換にはなるかもしれません(笑)

今回のエントリーでは、Illustratorの3D効果を試してみて、ツールの利便性や使い心地などについて考えてみたいと思います。

とりあえず作ってみました。


まずは、3D効果の練習も兼ねて、カーボンモノコックフレームのロードバイクを制作してみました。
なかなか速そうなデザインです。
ロードバイク

立体化させたオブジェクトは、実は「スタイライズ」や「ワープ」などの効果を適用させたオブジェクトと同じような考え方で扱えます。
つまり、もとになっている2Dオブジェクトの、編集上の見た目が変化しているだけといった感じです。
カラーリングも、通常の「塗り」の色を変更するだけで変わります。
ロードバイク(色違い)

立体化させたオブジェクトを、ワイヤーフレームで表示させることもできます。
ハンドル部分を拡大してみました。
ハンドル部分のワイヤーフレーム

この自転車が参考になるかどうかはわかりませんが、とりあえずこんな感じでの3D表現はできます。
それでは、どのようにして2Dのオブジェクトを3Dのオブジェクトに変換させるのでしょうか?
実は、Illustratorで描画した2Dのオブジェクトを3D化させるためには、「押し出し・ベベル」と「回転体」の2つの3D効果があります。
まず、それぞれの効果の特徴を見てみましょう。


押し出し・ベベルで3D化させるには


押し出し・ベベルの特徴を見るために、基本形の円を描き、効果を適用させてみます。

まずは、楕円ツールで基本となるオブジェクト(2D)を作成します。
基本の図形

これに「押し出し・ベベル」を適用すると、トコロテンのように丸い穴から押し出されたような立体が出来上がります。
押し出す長さは自由に設定できるので、短くするとコインのように、長くすると鉄パイプのようになります。
押し出した状態

押し出した面の形状を変更させることもできます。
例えば、丸みのある形状を作成できます。
丸みを適用

例えば、3つの段がある形状を作成できます。
3つの丸みを適用

例えば、2つのふくらみがある形状を作成できます。
2つの膨らみを適用

このように、基本となるオブジェクトさえ作成すれば、それを元にした押し出された形状の立体を簡単に作成することができます。


回転体で3D化させるには


回転体の特徴を見るために、有名なトリックアートでもある「ルビンの壺」を作ってみます。
ルビンの壺とは、中心部分は壺に見え、側面部分は人間の横顔が向かい合っているようにも見えるという、昔からある2Dのだまし絵です。

まずは、ペンツールでベジェ曲線を操作しながら人間の横顔を描き、左側面が垂直になるようなオブジェクトを作成します。
回転体の基本図形

左側面を回転軸の基準にして、オブジェクトを360度回転させた時にできる軌道を、立体的な図形として形にすることができます。
回転体のしくみ

以下のような計算で、立体化できているわけですね。
ちなみに、このようにワイヤーフレームで表示させることもできます。
また、視点の位置を切り替え、遠近感を出すこともできます。
回転体のワイヤーフレーム

通常の表面処理を行なう場合は、表面に艶があるか無いかを選択することもできます。
オブジェクトの角度を自由に変えることもできるので、壺を真横から見えるようにしてみました。
こうすることで、中心の壺と側面の横顔が、トリックアートになっていることがよくわかります。
立体的なルビンの壺

このように、基本となるオブジェクトさえ作成すれば、それを元に回転させた形状の立体を簡単に作成することができます。


オブジェクトの配置に関する注意点


オブジェクトの配置の際に注意しなければならない部分は、一般的な3D制作ソフトのように、3Dの仮想空間上にオブジェクトがあるわけではないということです。
オブジェクト単体では、確かに空間も含めて3Dとして処理されていますが、別々に作成したオブジェクト同士を、同じ空間の中のオブジェクトとして配置することはできません。
別々に作成したオブジェクト同士は、Illustratorの通常の編集にあるような、「重なり順」と同じ考え方で配置されるので、オブジェクト同士が交わることがないというわけです。

例えば以下のように、壺の真上に、後から作成した球体を配置してみます。
重力の力で、球体が下に落下していけば、壺の中にスポッと入り込むような位置関係を期待してしまいます。
オブジェクトの位置関係1

ところが、球体を選択して下方向に移動させると、壺の前面を通ります。
これは、オブジェクト同士の重なり順が決まっていて、決して交わることがないからです。
それならばと、球体を背面に移動させると、今度は壺の後ろ側に行ってしまいます。
オブジェクトの位置関係2

この場合、どのようにすれば2つのオブジェクトの位置関係を、3D空間上に配置させることができるでしょうか。
別々にオブジェクトを作成すると、重なり順ができてしまうのでアウトです。
つまりひとつの回転体として立体化させればいいということになります。
試しに以下のようなオブジェクト(2D)を作成します。
基本となる2つのオブジェクト

これに「回転体」の効果を適用すると、先程と同じような見た目になります。
オブジェクトの位置関係3

球体を選択して下方向に移動させると、予定通りに壺の中に入っていきます。
オブジェクトの位置関係4

オブジェクト同士の位置関係が、3D空間上に配置されていることがわかりますね。
ただしこれにも注意点が2つあります。
1つ目は、「回転体」効果を適用する前に、必ずオブジェクト同士(壺と球体)をグループ化しておかなければならないということです。
これを忘れてしまうと、1つ目の実験と同じように、球体が壺の前面を通ってしまうといった現象が起こってしまいます。
2つ目は、オブジェクトを個別に移動させる際には、グループ化しているグループの中にダブルクリックで入るなど、グループを解除しない状態で、個別のオブジェクトを動かさなければなりません。
例えば、ダイレクト選択ツールで個別に選択したり、レイヤーパネルから個別に選択してもいいわけですね。


2つの3D効果を簡単に実験してみましたが、「押し出し・ベベル」と「回転体」を使えば、複雑な形の立体は無理ですが、以下のようなちょっとしたイラストならすぐに描くことができます。
3Dの練習イラスト

もちろんワイヤーフレームで見ることもできます。
3Dの練習イラスト(ワイヤーフレーム)

剣と盾は、グループ化した1つのオブジェクトから、水滴のキャラクターはグループ化していない6つのオブジェクトの重ね順と位置を調整して描いています。
これぐらいの3Dイラストであれば、Illustratorに慣れている人なら、ほんの数分で描くことができます。



結局、3D効果の使い道は?


Illustratorでの3D効果の使い道ですが、結論としては出番は少ないと思います。
もちろん、機能としてあるに超したことはないのですが、使い道が限定され過ぎていて、仕事で使う場面はなかなか無いと思います。
表面のテクスチャを、パターンなどから設定することができないなど、まだまだオマケ的な機能にとどまっている感が強いです。
ただし、本格的な3Dツールとしては使い物にならなくても、ちょっとした3Dのイラストが遊びでほしい時には意外と役に立ちます。
なんといっても、普段から使い慣れている「Illustrator」の使い心地のままで、立体的な表現が簡単にできるというところは最大の魅力です。


アイディア次第では、意外におもしろい回転体ができたりして、興奮することもあるかもしれないわけで、とにかくまずは使ってみましょう!
サクサク作業するには、ある程度パソコンのスペックが要求されますけど・・・

パソコンスペックが低いんだけど、3D機能だけをもっと楽しみたい!という人には、以前のエントリー(2009年の記事ですが…)でもご紹介した「Google Sketch Up」が最適です。
タグ:illustrator adobe 3D
この記事へのコメント
わたし イラレの CS5 ってやつなんですけど、そんな機能があったんだ〜〜

全然 使いこなせません・・・。
Posted by めい at 2012年02月16日 13:40
すごい!!!すごすぎる!!!

スライムが描けるなんて!!!
Posted by めい at 2012年02月16日 13:44
>めいちゃん

おお!CS5を使っているんですね。
それならば、ためしに3D効果を使ってみてください。
簡単に立体物を作ることができるので、意外と役に立つというか・・・遊べると思います。
まずはギルの3D化ですね!
Posted by a2me at 2012年02月17日 00:56
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