2010年07月14日

ソニー「NEX-3」とキヤノン「EOS Kiss X3」の画質比べ。

SONY

SONYから発売されたばかりのレンズ交換式カメラ「NEX-3」をしばらく使用する機会があったので、Canonの「EOS Kiss X3」と写真&動画を撮り比べて遊んでみました。

 
まずは、「NEX-3」の外観を観察してみます。


ボディーはかなり薄くてコンパクトな印象です。
グリップ部分の中身はバッテリーとSDカードスロットなので、カメラとしての電子部品は、かなりコンパクトに収納されているという事になります。
NEX-3の外観

「サイバーショット」ではなく「α(アルファ)」として販売するんですね。
今までのαシリーズ(一眼レフ)のイメージとはかなり異なる気がするのですが。
NEX-3のロゴ部分

横から見ると、ボディーの薄さがよくわかります。
レンズが大きく感じてしまいますが、実はレンズもかなりコンパクトです。
NEX-3の横面

角度に制限がありますが、背面の液晶を上下(チルト)に傾ける事ができます。
横から見ると、液晶部分もかなり薄く、ぶつけたりすると壊れそうな感じがして怖いです。
NEX-3の可動式液晶

背面のボタン類が少なめなところはいいですね。
動画の録画開始ボタン(赤いボタン)が独立しているのも使いやすそうです。
NEX-3の背面

電源を入れていない時は、絞りが最小に閉じられています。
光学ファインダーが存在しないので、直射日光などで素子がダメージを受けないよう、普段は閉じている方がいいのかもしれませんね。
NEX-3のレンズ絞り

パナソニック、オリンパスと同様に、マイクロフォーサーズ規格を採用するかと思いきや、「Eマウント」という新しい規格を採用しています。
Eマウントの特徴は、ボディをコンパクトにしながらも、APS-Cサイズのセンサー(フォーサーズよりも大きい)を使用できるところです。
NEX-3のマウント部分



さて、それでは画質の方はどうでしょうか。
光学系・センサーサイズだけ見ても、コンデジより明らかに高画質だという事は容易に想像がつくので、「EOS Kiss X3」と撮り比べてみる事にします。

「NEX-3」に付属している標準ズームレンズは、焦点距離が18-55mmで、開放F値が3.5-5.6という事で、「EOS Kiss X3」にも全く同じ仕様のレンズをはめて撮影する事にします。
また、撮影にあたっては、双方共に焦点距離=55mm、F値=5.6、露出時間=1/20秒、ISO=1600の設定で撮影する事にします。
ちなみにこの数値設定は、今回の被写体を「NEX-3」のオートモードで撮影した時に自動設定された数値で、それに「EOS Kiss X3」を合わせるかたちです。
もちろん静止画・動画共に、サイズ以外の画像の加工は行なっていません。

そして実際に撮影したものが以下の写真です。

【NEX-3で撮影】
NEX-3での写真

【EOS Kiss X3で撮影】
EOS Kiss X3での写真


部分的に原寸大で見てみます。

【NEX-3で撮影】
NEX-3での原寸写真

【EOS Kiss X3で撮影】
EOS Kiss X3での原寸写真


ふむふむ、なるほど。
明るさに違いが見られますが、画質的にはさほど変わらないように思います。



次に、動画を撮影してみました。

【SONY NEX-3 と Canon EOS Kiss X3 の動画を比較】



動画に関しては、ファイル形式の変換時に画質の劣化が起こってしまうので、オリジナルの動画ファイルを部分的に原寸大で見てみます。

【NEX-3で撮影】
NEX-3の動画

【EOS Kiss X3で撮影】
EOS Kiss X3の動画


動画の場合は違いが顕著に出ていますね。
「NEX-3」がフラットな絵柄になっているのに対して、「EOS Kiss X3」はコントラストがかなり高いです。
細かい部分の描写力でも、「NEX-3」は扇風機の小さな文字が完全に潰れてしまっているのですが、「EOS Kiss X3」では「LOOSE」と書いてあるのがなんとか読めます。
同じ焦点距離で同じF値のレンズでも、キヤノンのEFレンズの方が口径が大きいので、同じ条件下での撮影なら有利なのかもしれないとは思っていたのですが、これは撮像素子や映像処理エンジンによる違いなのかもしれないし、何が理由なのかはよくわからないです。
改めて写真の方を見てみると、どちらも「LOOSE」という文字を確認する事ができるだけに、動画で大きな差がでてしまうというのが不思議なところだと思いました。
ただ、今回の場合は、時間帯の都合により室内での撮影(暗いです)であるという事と、被写体の都合によりテレ端での撮影(暗くなります)であるという悪条件が重なってるので、全体的に画質が悪くなってしまう要因になっています。
また、扇風機の風向きを変えるための羽根を回しながらの撮影なので、若干ぼやけた画像になってしまいます。
明るい場所で、ワイド端や短焦点レンズを使って撮影した場合には、画質の差は小さくなってくるかもしれません。


カメラの場合は、画質が良いに越したことはないのですが、小型化する事により描写力が犠牲になってしまうのは仕方のない事です。
ただ、全ての人が高画質を求めているわけでは無いし、使う人の使用目的に応じて、最も適したカメラを所有するのがいいという事になります。
「NEX-3」の場合は、軽量コンパクトなボディで、ある程度の高画質を実現しているというところが魅力なので、日常生活で写真や動画を撮る頻度が高い人にはベストなツールになるかもしれません。
コンパクトなボディで、どこにでも持ち歩けるという事は、シャッターチャンスを逃さないという事につながりますからね。
場合によっては、マウントアダプターを使用して、Aマウント用の超望遠レンズで野鳥を撮る人だっているかもしれませんが、液晶モニターで動く被写体を追うのは少し無理があるかもしれませんね・・・

そういうわけなので、「NEX-3」のユーザーになる人は、一眼レフカメラを使用するユーザーとは被らないのではないかと思います。
使用目的から考えると、「NEX-3」のライバルは、やはり「LUMIX GF1」や「OLYMPUS PEN」になるのではないでしょうか。
いよいよ、各メーカーから出揃ってきた「ミラーレス一眼」という新たなジャンルですが、なんだか混沌としてきた感じですね。

ペンタックス、ニコン、キヤノンといった、純粋なカメラメーカーはどうするんでしょう?



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タグ:カメラ SONY NEX-3
posted by a2me at 02:32 | Comment(2) | TrackBack(0) | 動画・写真・カメラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

とても勉強になりました( ..)φメモメモ

いつもわかりやすい解説でありがとうございます。

メーカーによってこんなにも、特徴に差があるのですね〜びっくりです。
わたしも何気なく使用しているカメラの特徴を見直してみたいと思いました。



Posted by maehara at 2010年09月13日 14:22
> maeharaさん
その後、写真はたくさん撮られているのでしょうか?
GF-1は、コンパクトなボディでどこへでも持ち歩ける事にプラスして、フラッシュを内蔵(コンパクトなタイプのミラーレス機では唯一ですよね)しているので、シャッターチャンスに強いのが特徴だと思います。
ストラップで肩から提げていると、アクセサリーとしておしゃれなのも特徴かと。
良き相棒を片手に、カメラライフを楽しんでください!
Posted by a2me at 2010年09月13日 19:07
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