2010年07月06日

ザクティの外部電源化に挑戦。

ザクティの外部電源化

軽量薄型ボディで、お手軽に持ち歩く事ができるSANYOのビデオカメラ「Xacti DMX-CG11」ですが、バッテリー容量が少ないために、撮影可能時間が短い事が大きな欠点となっています。
詳しく測定したわけではないのですが、専用のリチウムイオンバッテリーでは、50分(カタログ数値70分)程度しか駆動していないような気がします。
電子部品の性能は日進月歩で発達しても、バッテリーに関する問題(大容量化とコンパクト化の両立など)は、今の技術ではどうしようもないのが現状です。
携帯電話や電機自動車でも、バッテリーに関する問題だけは大きな悩みの種となっていますよね。

そういうわけなので、カメラのコンパクトさが多少損なわれても、外出先でもっと長時間の撮影が楽しめないかと思い、外部DC電源で「Xacti DMX-CG11」を駆動させてみようと思いました。

いろいろと仕様に関しては悩んだ部分も多かったのですが、結果としてはそこそこ満足できたので、以下に今回の経緯をまとめてみます。
ちなみに、カメラの外部電源化などのカスタマイズは、メーカーの保証対象外となってしまうので、同じく外部電源化を計画している人は自己責任で挑戦してみて下さい。


まず私の場合、外部電源化するにあたっては、携帯用リチウムイオンバッテリーなどのような、シーリングされたバッテリーパックを使用するのではなく、“単三電池”を使用する事が大前提にあります。
しかも、どこでも手に入る“アルカリ単三電池”と、ニッケル水素などのような“充電式単三電池”を両方とも使用できるようにしたいのです。
携帯用のリチウムイオンバッテリーパックの場合は、外出先でバッテリーが切れてしまうと、それ以上撮影を続行する事ができないため、結局は専用の内蔵バッテリーをいくつか持っていた方が良いという事になってしまいます。
アルカリ電池とニッケル水素電池を両方使用できる事のメリットは、通常は繰り返し充電して使えるニッケル水素充電池を使用し、バッテリーが切れた時には、コンビニや100円ショップでいつでも手に入る、アルカリ電池を使用して撮影を続行できるというところです。
つまり、これが実現できれば、日本国内でのバッテリー切れの心配は無くなくなるという事になります。

ところが、ここで問題になってくるのは、アルカリ電池とニッケル水素充電池の仕様の違いです。
アルカリ電池の場合は、電圧が1.5Vと記載されていますが、実際には使い始めた瞬間から右肩下がりで電圧が降下し始めるため、安定した電圧は獲得しにくいつくりです。
ニッケル水素充電池は、電圧が1.2Vで安定しているため、外部バッテリーに流用しやすいのですが、ある時点から電圧が急降下するという性質があります。
電圧の比較表

それらを考慮して、とりあえず工作用の電池ボックスが使用できないかどうかを考えてみました。
ザクティの電源仕様は、バッテリーが3.7Vで700mAhの容量があり、コンセントから電源を取るACアダプターの場合は5V/2Aで駆動させているようです。
ニッケル水素電池が1.2V/2000mAhとして、直列に3本繋げると3.6V/2000mAhとなるので、通常の3倍弱の容量の外部バッテリーとして流用できそうですね。
ところが、ACアダプターのように外部から電源を取る場合には、5Vじゃないと駆動しない回路になっているかもしれないという不安があります。
また、専用バッテリーの電圧に0.1V足りないのも少し気になります。
この嫌がらせのように微妙な0.1V差の電圧は、何のための仕様なのかはよくわかりませんが、実際にはこの程度の差なら問題無く動くのではないかとも思います。

仮に、ニッケル水素充電池3本を直列に繋いで駆動させる事ができたとしても、問題はアルカリ電池を使用する場合にあります。
アルカリ電池3本だと使い始めの電圧が4.5Vになってしまい、専用バッテリーと比べると、ちょっと電圧が高すぎる感じです。
かといって、ACアダプターの5Vにはちょっと足りず、かろうじてカメラが動作したとしても、徐々に電圧が降下してくるので、安定した動作をさせるには不安要素がたくさんあります。
カメラ本体の回路が、3.7Vから5Vの間なら何ボルトでも動作するような仕組みだとしても(これは無いと思いますが)、アルカリ電池のなだらかな電圧降下だと、容量がまだまだ十分残っているにもかかわらず、電圧不足のためにカメラが動作しなくなるといった現象も起こってしまいそうです。
これらの事を総合して考えると、単に直列で繋ぐだけの電池ボックスではどうしようもないという事になり、途中にインバーターを挟んで電圧を調整しなければならないという結論になります。
かといって、【電源→インバーター→カメラ】という面倒な構成はありえないので、アルカリ電池とニッケル水素充電池を自動的に判別し、常に5Vで出力してくれる回路を搭載した電池ボックスがあれば、全ては解決しそうです。

それならばと、インターネットでそのような機能付きの電池ボックスを探してみると、「携帯電話充電用」とか「携帯ゲーム機充電用」などの商品がいくつかあるのですが、何ボルト何アンペアで出力しているのかという製品仕様が一切掲載されておらず、「FOMA用」とか「au用」とか「DS用」といった表示しかされていないため、電圧の実験をするためにだけに商品を購入するという行為には、なかなか踏み切れないでいました。

さらに調べてみると、ザクティの電源の仕様は、バッテリー・ACアダプター共に、携帯ゲーム機のPSPにかなり近い仕様になっているようでした。
しかもACアダプターの接続端子の口径は完全に一致しています。
それならば、PSP用の外部電源(単三電池使用)として売られている商品は、無改造でそのまま使える可能性が高いという事になります。
ただし、ザクティの場合はACアダプターから直接電力を供給するのに対して、PSPの場合はバッテリーを中継して電力を供給する(一旦バッテリーを充電する)仕組みになっているようなので、これでもまだ不安は残ります。
私はPSPを持っていないのでよくわかりませんが、3.7Vのバッテリーに対して5Vで充電するのは、ちょっと電圧が高すぎるような気もするのですが、PSP専用のACアダプターは間違いなく5V/2Aで出力しているようです。
ということは、PSP用の電池式外部電源の出力も、5V/2Aになっているはずです。
最初の方にも書きましたが、バッテリーを経由しないにもかかわらず、ザクティ用の専用ACアダプターも、5V/2Aでの出力となっているため、この部分は完全に一致します。

その結果、GAMETECHから発売されている、PSP用の外付け電池式バッテリー・・・というか、一応ポータブル充電器ということになっているようですが、「バッテリーチャージャーP3」という商品なら無改造で使用できるのではないかと思いました。
案の定、この商品にもなぜか製品仕様が記載されていないのですが、上記の理由からおそらく5V/2Aで出力されるようになっているはずです。
さらに、アルカリ電池とニッケル水素充電池の両方が使用可能で、それぞれの電池を自動的に検知して電圧をコントロールするという、かなり高度なインバーターも内蔵されているようです。

というわけで、さっそく購入してみました。

これが、「バッテリーチャージャーP3」です。
電気屋さんなどで、1000円前後で販売されています。
バッテリーチャージャーP3

家にあったアルカリ単三電池4本を入れてみます。
写真では電池の種類がバラバラですが、できるだけ同じ種類の電池を入れましょう。
電池の装着

あらかじめ、ザクティ用のDCアダプターも購入しておきます。
こちらは、電気屋さんで1000円で購入しました。
この部品は、通常はACアダプターと接続して使うためのものですが、今回はACアダプターは必要ないので購入していません。
DCアダプター

ザクティのバッテリーカバーを開けて、専用のリチウムイオンバッテリーを取り外します。
バッテリーパックの取り外し

ザクティ用のDCアダプターを取り付けて、シッポの部分をボディの溝に沿ってはめ込みます。
DCアダプターの装着

バッテリーカバーを閉じて、お互いの端子を接続した状態です。
ザクティと電池ボックスの接続

電池ボックスにもスイッチが付いているので、電源をONにすると、赤いランプが点灯します。
そしていよいよザクティ本体の電源スイッチを入れてみると・・・
ばんざーい!問題無く動作しました!
ザクティの電源スイッチON

同じような方法でザクティを外部電源化させたにもかかわらず、カメラが起動しなかったというブログ記事を読んだ事があったので、動いてくれるかどうかの不安がずっとあったのですが、ちょっとほっとしました。
その後、しばらくの間は外出先などで撮影をしてみたのですが、全く問題無く動作していました。

ところが・・・

ある時から、バッテリー残量が100パーセントと表示してあるにもかかわらず、録画を開始すると突然電源が落ちてしまうといった現象が起き始めました。
液晶画面を見ながらカメラの設定を変更したり、録画済の動画を再生させたりするのは問題無く動作するのですが、なぜか録画を開始すると電源が落ちてしまうという症状です。
原因はよくわかりませんが、録画開始時には普段よりも多くの電流が必要で、それに対応しきれないのかもしれません・・・
とりあえず、この症状が出始めたら、バッテリー切れと考えて良さそうです。
もともと使いかけの電池を使用していたという事もあり、実際にどれくらいの駆動時間が確保できたのかはわかりませんが、専用バッテリーよりは長く駆動していたと思います。
インバーターを介しているとはいえ、充電式単三電池を使用すれば、電圧が安定している分、もっと長い時間駆動させる事もできそうです。
この部分に関しては、今後も実験が必要ですね。
ちなみに、上記の使い終わった電池ボックスを、W-ZERO3[es]に接続してみると(端子口径は一致します)、まだまだ普通に充電できました。
おそらくPSPの充電もしばらくは出来るのではないかと思います。

いろいろと試行錯誤してみた結果、自分なりの理想を求めた電池ボックスをせっせと工作するよりも、用途に合った既製品を探して購入する方が、手っ取り早くて確実だという事に気が付きました。

以上、ザクティの外部電源化についてのいろいろでした。



最後に、バッテリーについて思う事ですが・・・
時代の進化と共に、一応バッテリーも進化はしているのですが、画期的と言えるほどのインパクトを与えたバッテリーは今のところありません。
いつの時代も、バッテリーに関しては何らかの不満が残ります。
満充電状態での放置や過放電に注意するなど、充放電の煩わしい制約を気にせず、半永久的に使用できるメリットを考えると、個人的には鉛バッテリーが一番気持ち良く使えるバッテリーだと思っています。
ただし、本体重量が重くなってしまう事と希硫酸の危険性だけが問題ですが・・・
リチウムイオン(ポリマー)バッテリーと鉛バッテリーの良いとこ取りをした夢のような高性能バッテリーを、日本のメーカーが開発する事を心から願っています。

誰か偉い人の発言を全否定する事になりますが、日本はいくつかのジャンルで世界一になれるかっこいい国であってほしいのです。
特許権において2番手以下は利益にありつけないわけですからね。
特に、このような化学(科学)技術ジャンルでは、日本は世界で1番になっておく必要があると思います。
というわけで、次世代バッテリーの開発は大変だと思いますが、がんばれ!日本の家電メーカーさん!


posted by a2me at 01:38 | Comment(7) | TrackBack(0) | 動画・写真・カメラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
すげー!!
丁寧なレポ、ありがとうございます。
バッテリーと外部電源の電圧の差は気にしたこともなかったです。

何か他の機器でも応用できそうな考えだったので参考になりました。
Posted by 我流 at 2010年07月06日 14:50
> 我流さん
ACアダプターからバッテリーを充電するタイプの機器なら多少融通が利くのですが、ACアダプターから直接駆動させる機器では、電圧・アンペアが結構シビアですね。

WEB業界や映像業界の方々は、デジタル機器のバッテリー駆動時間の短さで、頭を悩ます事も多いのではないかと思います。
メーカー側も、バッテリーの強化より機器のコンパクト化に力を入れているようなので、必要に応じて外部電源を持ち歩くしか無いのかなーという気がしてます・・・
Posted by a2me at 2010年07月07日 09:43
長時間の録画をしたくて
あんまりこの手のことは得意ではないのですが
こちらのサイトを参考に やってみました!

電池を満タンのエネループで実験したところ
動画は持って1分でした

動画はどうしようもないのですかね・・・
残念ですorz
Posted by 電子機器ダメ男 at 2010年07月08日 20:45
> 電子機器ダメ男さん
エネループ使用で、動画の撮影時間が1分しか持たないですか?
うむむむ・・・どうした事でしょう。

本文に出てくる「バッテリーチャージャーP3」と最新のエネループ4本を使用すれば、計算上は2時間以上持ちそうなのですが・・・

電池容量の問題に関係無く、内蔵メモリーのみの使用でしたら、ハイビジョンサイズで40秒弱しか撮影できませんので、SDカードの差し込みが甘くないかどうかを確認してみてください。
もちろん他に原因があるのかもしれませんが、現在の情報だけではなんとも言えませんね・・・

それにしても、撮影時間がたったの1分では、思い出作りもできませんよね・・・
Posted by a2me at 2010年07月09日 09:23
う〜ん!これは「眼からウロコ」です(@@)

いつも斬新な内容で、私はブログを拝読するのが楽しみです★

機械に弱いので・・・
内容は何回も再読して納得。大変勉強になりました。ビデオはあまり撮影したことがないので・・・もっと活用しないといけませんね(^_^) 

追記:先日の「デジハリ」の受講は、ひとつはソフトが格安で入手できることもあって・・・
思い切っての受講となりました。本当に初心者もいいところなので。お恥ずかしい限りです。こちらのブログで様々な事を学べて、デジハリより楽しいです★


Posted by maehara at 2010年07月14日 11:09
> maeharaさん

私は、褒められると耳が赤くなるので、あまり褒めてはいけないのです。

ビデオ撮影は、やり始めると結構楽しいと思います。
お持ちの「LUMIX GF1」なら、普通のビデオカメラとは違い、映画に近い(背景をぼかした)映像が撮れます!

デジハリ受講はびっくりしましたが、デジハリをチョイスしたのは正解だと思います。
何のコースかはわからないのですが、アドビのソフトが格安で入手できるという事ですよね?
普通なら、ありえない高価なソフトさん達なので、お得感がありますね。

きちんとした学校で学ぶわけですから、効率よく正確な勉強ができるのではないでしょうか。
私は自己流でソフトを使ってきたので、「何か間違ってるかも・・・」と思いながら作業してますので(笑)

このブログは、植木等のように無責任に、高田純次のように適当に、高倉健のように不器用に運営しているだけですから、あまり気にせず、デジハリでの勉強をぜひともがんばって下さい!
Posted by a2me at 2010年07月14日 20:05
リチウムイオン電池の充電電圧はかなり正確でないと電池の寿命を縮めるそうです。

4.2Vの電圧は相当正確でなければなりません。許容誤差は±50mVくらい。
http://www.gbros.jp/JR1NNL/IDEA/LITIUM/LITIUM.HTM
Posted by HS at 2012年02月01日 13:44
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。