一眼レフカメラ用の、新しいレンズが仲間入りしました。
購入した商品は、「TAMRON AF STANDARD SET」という商品名で、10年程前にタムロンから発売されていた商品です。
セット内容は、「AF28-80mm F3.5-5.6 ASPHERICAL」と「AF100-300mm F5-6.3 TELE-MACRO」の2つのフルサイズ用ズームレンズと「タムロンオリジナルカメラバッグ」がセットになったお得な商品です。
先日、長崎へ里帰りした時、某ディスカウントストアーのショーケースの片隅にひっそりと息をひそめていたところを発見したのですが、販売価格92,000円の値札が付いているにもかかわらず、それがなんと10,000円で販売されていました。
まぁ、10年も昔のレンズなので、当時のままの価格で販売するという事はないでしょうけど、それでも10,000円なら即買い価格だと思うんですよね。
一応、箱の中身を確認させてもらい、その場でカメラに装着してみたのですが、オートフォーカスも問題無く動作しました。
ただ、望遠マクロレンズの方のレンズキャップが無かったので(なぜかトキナーのレンズキャップが入っていた)、さらに値引きをしてくれて、最終的には7,000円という価格を提示していただきました。
もちろん、保証・返品は不可という条件付でしたが、即買いしましたよ!
帰宅して、さっそく試し撮りをしてみたのですが、「AF28-80mm F3.5-5.6 ASPHERICAL」は、かなりいい感じの描写力です。
カメラのレンズは、中央部分の画質が最も良いわけですから、APS-C機でフルサイズ用のレンズを使用する事のメリットは、かなりあると思います。
そして、「AF100-300mm F5-6.3 TELE-MACRO」の方も撮影した画像を確認し、それなりに満足していたのですが、よくよくレンズを観察してみると、一番手前のレンズ(前玉)の中にカビが発生しているではありませんか・・・なぜ?
これは、どげんかせんといかんです!
タムロンに修理に出そうかなとも思ったのですが、レンズ本体よりも修理代の方が高くつきそうだし、生産終了された古いレンズの修理は、基本的には受け付けていないそうなので、ここはひとつ自分でなんとかしようと思います。
というわけで、前置きが長くなってしまいましたが、さっそくレンズの分解・修理に挑戦です!
ブログ記事としては、レンズの分解に失敗し、レンズの外装を滑り止め付き紙コップホルダーとして再利用する事にしました!といったオチになる方がおもしろいのかもしれませんが、決してそんな事にはならないよう、慎重に分解したいと思います。
まずは、外から見えている部分で分解できそうなところは、マウント部分の4つのネジです。
ボディとマウントを取り付ける位置は決まっているので、あらかじめマスキングテープで目印を付け、ネジを外します。
マウント部分を持ち上げてみると、端子用の配線がボディ側と繋がっていて、取り外す事ができません。
しかも、その下にある基盤にはネジなどが無く、この部分からこれ以上分解する事ができないようです。
仕方なく、再びマウント部分をネジで取り付けます。
この時、特にタッピングビスの場合に言える事ですが、一度取り外したネジを再び取り付ける際には注意が必要です。
ネジをネジ穴に入れ、ねじ込む方向とは逆の左回りに回転させていると、カクッとネジが沈み込む瞬間があるので、その位置からネジを右回りに締め込んでいきましょう。
そうする事で、新たなネジ溝を作る事無く、前回と同じネジ溝を利用して締め直す事ができるというわけです。
マウント部分から分解できないとなると、前玉部分から分解できるはずです。
それらしいところといえば、フォーカスリングの滑り止めラバーが怪しそうなので、これを外してみます。
後から取り付ける際に、距離指標がわからなくならないよう、ラバーの向きもあらかじめ確認しておきます。
さらに分解できそうですね。
前玉を固定している3つのビスを外してみます。
ビスにはネジ止め剤が付いていて、緩みにくい仕組みになっていました。
前玉が外れたので、レンズの裏側のカビを、台所用中性洗剤を染み込ませた綿棒で拭き取ります。
かなり綺麗にはなったのですが、まだカビが残っているようです。
なぜなのかなぁ・・・
よく見ると、これは1枚のレンズではなく、2枚のレンズが合わさっていて、その隙間にもカビがあるようです。
ところが、2枚のレンズは接着されているようで、残念ながら隙間のカビを取る事は出来ません。
まぁ、最初と比べるとかなり綺麗になったので、これで良しとしましょう。
再び組み立てる際に気が付いたのですが、前玉を固定しているパーツは、ボディ側との接点部分が斜めに加工してあり、スライドさせる事でレンズの距離を微妙に調整できるようになっていました。
おそらく光軸を調整するための仕組みだと思いますが、ひとつひとつ手作業で微調整してあるところがすごいですね。
さすがは昔の日本製レンズで、職人の苦労が伝わってきます。
組み立てる際は、元々のネジの跡が残っていたので、それと同じ場所で固定し、タミヤのラジコン用のネジ止め剤を塗布しておきました。
フォーカスリング用のラバーを被せて、とりあえず完成です。
カメラに取り付けてテスト撮影もしてみましたが、オートフォーカスや描写性能も、特に問題は無いように思います。
カビが発生していたのが前玉だけだったので、大げさな分解にはならずに済んだのが良かったです。
「AF28-80mm F3.5-5.6 ASPHERICAL」と「AF100-300mm F5-6.3 TELE-MACRO」の2つのレンズは、手振れ補正機構が付いていないのが残念ですが、CANONのEF-Sレンズ群には無いズーム比なので、今後もそれなりに活躍する機会はあるかもしれません。
レンズの描写力や作例については、また別のエントリーとして書いていきたいと思います。
それまで、カビのはえたレンズを見たことが無かったので、ちょっとビックリしたというか、本当にはえるものなのかと、妙に感心した記憶があります。
参考になる部分がありましたら良かったです。記事にした甲斐がありました。
記事内のレンズは設計が古いので、分解しやすかったのですが、最近のデジタル専用設計のものは分解しにくいですよね。
今回のような事態にならないよう、絶対にカビをはやさないために、今は細心の注意を払って保管するようにしています。