
公開初日に「サマーウォーズ」を観て来ました。
とても期待していた作品だったのですが、その期待を裏切らない、すばらしい内容の作品でしたよ。
今回のエントリーでは、作品の中の“映像の美しさ”に関する部分と、“ストーリー”に関する部分で、それぞれ私が個人的に感じた事などを書いてみようと思います。
グラフィックスに関して
まずは、この作品のグラフィックスの完成度の高さにおどろかされました。
人物の描画&カラーリングに関しては、基本的には塗り分けによる影が一切付いていないのですが、なぜか絵には立体感が十分あります。
これは、1枚1枚のデッサン力がしっかりしている事と、良くアニメーションしている(セルの枚数が多い)事が理由だと思います。
このタッチのイラストでは、むしろ影が付いてしまうと、逆にうるさくなってしまうような気さえします。
ハーフトーンのベタ塗りで統一された色彩と細い罫線が、日本画を専攻していた私にとっては、とても心地よいグラフィックスに感じました。
貞本義行氏のキャラクターデザインにより、同監督の前回作、「時をかける少女」の表現と近い感じもするにはするのですが、個人的には「電脳コイル」に近い感じだと思いました。
とにかく人物の描画部分に関しては、マッドハウスの力を見せ付けられたといった感じです。
次に、作品の中で多用されていたCGについてですが、OZ(オズ)という仮想空間の世界観を目にした時、一瞬「村上 隆?」と思ってしまい、この作品と何か関係があるのか疑問に思っていました。
後からネットで調べてみると、関係大ありでしたけどね。
また、OZの中には、いろいろなアバターが登場するのですが、そのイラストが漫画風であったり、ドット絵風であったりして、見ていて楽しかったです。
特に、「キング・カズマ」というキャラクター(アバター)のグラフィックスが、一昔前にあったような、Flashの描画ツールだけを使用して描いたようなアニメーションのキャラクターの“あの感じ”がしっかり表現されていて良かったと思います。
背景美術にはあまり着目していなかったのですが、違和感のある部分は一切無かったので、人物画が自然に溶け込むような、完成度の高いものだったと思います。
「パプリカ」の時のように、全てPC上で描いているのかもしれませんが、手描きの感じはしっかり出ていました。
アニメーションは映像美が全てだ!と考えている人達にも、きっと満足のいく仕上がりになっていると思いますよ。
ストーリーに関して
ストーリーも、とても良く出来ていました。
内容については、ここで詳しく書く事はできませんから、感想のみを書いてみたいと思います。
結論から言うと、私が個人的に感じた物語のテーマは、「協力」する事の重要性だと思いました。
というのも、この物語のキーパーソンが、決して主人公の健二だけというわけではないからです。
主人公ひとりだけが特殊な能力を持っていて、その力で世の中の人達を助けるといった、ヒーローの王道ストーリーではなく、家族の一人ひとりが、それぞれ自分にしかできない事や自分の特技を使い、皆で協力して困難と戦っていくというところが重要なポイントになっていたと思うのです。
誰かがひとり居なくても、プログラムの暴走を止める事はできなかったわけで、家族が一致団結する事の大切さや強さといった部分が、ひしひしと伝わってきました。
1本の矢は折れても3本の矢は折れないとか、昔の人はうまいこと言ったもんですね。
また、格闘ゲームで勝負する際、液晶テレビのレスポンスの悪さを克服するために、ブラウン管テレビを使用するところなんかは、個人的についつい反応してしまいました。
基本的にはインターネット世代や、PCパーツ好きや、システム開発者なんかが、ピクッと反応してしまうような内容が散りばめられたストーリー構成にもなっていましたね。
また、インターネットの便利さの反面、アカウントやシステム全体を乗っ取られたときの恐ろしさという部分も、良く表現されていましたが、これはある意味よくあるパターンといえるかもしれません。
それに加えて、栄おばあちゃんを見ていると、ネットの世界での繋がりも大切かもしれませんけど、現実世界での繋がりに勝るものは、結局無いんだという事を改めて実感します。
どれだけデジタル世界でのコミュニティが発達しても、最終的にはアナログな人間関係にはかないませんよね。
ストーリー全体を通してみると、セルアニメ部分では、涙でうるっと来てしまうシーンがいくつかあって、CG部分では、手に汗握るシーンがたくさんあって、うまく視聴者を飽きさせないように構成されていると思いました。
上映中は集中していたせいか、私は最後までポップコーンを口に運ぶことはありませんでした…
というわけで、良いアニメーション作品を、またひとつ鑑賞する事が出来たと実感しています。
また、公開初日だったという事も良かった(栄おばあちゃんの誕生日が8月1日でしたよね?)ですね。
日本のアニメーションって、人材問題など、いろいろと改善しなければならない事情はたくさんあるのかもしれませんが、作品だけを見てみると、ほんとにスゴイのひと言です。
私にとっては、そう思わせる作品でした。
↓あっそれから、健二と夏希の2人の微妙な関係にも注目ですよ。







