
Flashでは、取り込んだモノラルの音素材(mp3とかwav)の左右の音量を個別に調節する事ができます。
そこで、その機能のみを使って立体的なサウンドを表現する事ができないかと思い、簡単なサンプル動画を作ってみました。
サンプル動画は、映画マトリックスの名シーンの中でも、最も5.1chサラウンドを実感できるあのシーン(エージェントが放ったピストルの弾をリンボーダンスでかわすシーン)をインスパイアしてみました。
グラフィックは、往年のMSXを彷彿とさせるような素敵なクオリティになってしまいました。
また、君色プレーヤー(Ver.5.963)で動画を再生させると、音が出るので注意して下さい。
立体的なサウンドを体験するには、ぜひイヤホンかヘッドホンで聴いてみて下さい。
いかがだったでしょうか。
多少無理があるかもしれませんが、立体的な音に聴こえなくもないと思います。
Flashでは、モノラルサウンドの左右の音量を個別に調節できるので、左の音量を小さくしながら右の音量を大きくするなどして、音の左右の移動は簡単に表現できます。
ところが、例えば音が左から右へ移動していく際、その音が前方を通っていくのか、後方を通っていくのか、はたまた頭上を通っていくのかといったような、音の前後と上下の位置は表現できないんですよね。
そこで、前後と上下の位置については、映像による視覚的な情報によって、音の出ている位置をイメージさせる事ができるのではないかな?と思ったのがサンプル作りのきっかけになっています。
それともう一つは、音の距離感の問題ですが、これは音の位置に関係なく、マスターボリュームの音量のみで表現できると思います。
というわけで、実験結果がうまくいったかどうかは微妙なところですが、私としては満足な結果でした。
何かの時には使えるかな?という程度ですが。
以下は、モノラルの音素材を、ステレオで書き出す際の注意点などです。
一旦動画ファイルにする
flaファイルでせっかく左右の音量を加工しても、swfファイルにパブリッシュするとモノラルになってしまいます。
パブリッシュ設定のFlashタブにある「オーディオストリーム」の設定で、「ステレオからモノラルへ変換」のチェックを外しても無駄(元素材の音源になるだけ)です。
この場合、ステレオで音を出すには動画ファイルで書き出すしかなく、Flashの場合は「avi」か「mov」で書き出します。
今回のサンプルの場合はWEB用なので、書き出したaviファイルを「Flash Video Encoder」で、さらにflvファイルに変換しました。
あとはこのflvファイルをWEB上で公開すればいいわけです。
swfファイルで公開する場合
flvファイルをflaファイルの中に取り込んで、最終的にswfファイルとして再生させる方法(埋め込みビデオ)を取る場合には、パブリッシュ設定のFlashタブにある「オーディオストリーム」の設定で、「ステレオからモノラルへ変換」のチェックを外さないとステレオ再生されません。
ただし、MP3を選択する場合には、ビットレートを上げておかないと音質が悪くなってしまうし、Rawを選択する場合には、音質は問題ないのですが、ファイルサイズが大きくなります。
今回のサンプルはMP3形式を取っています。
flvファイルのまま公開する場合
flvファイルをWEB上でそのまま再生させる方法で、いわゆるストリーミング再生(ほとんどの場合は擬似ストリーミングですが)というものです。
画質や音質に関しては「Flash Video Encoder」でflvに変換した時の設定そのままという事になります。
埋め込みビデオの場合は1つのswfファイルで済むのですが、ストリーミングの場合は、動画本体のflvファイルと、動画を読み込んで再生させるためのswfファイルが最低でも必要になるので、ちょっとだけ面倒かもしれません。
それから今気づいたのですが、公開に関しては動画投稿サイトに投稿すれば手っ取り早いのかもしれませんね。
アップロードの際、音声がモノラルに変換されないという事が前提ですが…
さて、上記の内容から見ても、Flashの音量調節機能を使って何か特殊な事ができるのかといえば、特に何も無さそうですね(笑)
Flashを使って何か作品を作る際、動画ファイルとして書き出す事が前提であれば、ちょっとした遊び心でいじってみるのも良さそうかなーとは思いました。