
先日、腐女子でブロガーのYさん(仮)と一緒にお食事をする機会があったので、これまでに私が「腐女子」に対して抱いていた素朴な疑問を解決するべく、いろいろな質問をぶつけてみました。
まずは、Yさんについて
Yさんは、いわゆるBLと呼ばれる世界をこよなく愛する22歳の女性で、ネット上では「腐女子」というジャンルにカテゴライズされています。
さらに、週間少年ジャンプで連載されていた「テニスの王子様」の熱狂的なファンでもあり、韓国まで舞台演劇を観に行くというパワフルな一面も持っています。
そして必然的にその2つを核融合させ、「テニスの王子様」のキャラクター同士のラブストーリーを創作しているという、同人的な作家さんでもあり、ネット上ではブロガーとしても活動されています。
今回お食事をした場所は、福岡市内のとあるお好み焼き店で、Yさん行きつけのお店です。
Yさんはマニアックに山菜玉、私は無難にミックス玉を注文し、一通り食べたり飲んだりしながら、今後の日本の政治の事とか、アフィリエイトの事とか、らんま1/2の事とか、FC2の事とか、ズボンの腰のゴムの事とか、ドラムブレーキの事とかの会話をしました。
そして一息ついたところで、いよいよ私にとって未知の領域である「腐女子」についての質問をさせてもらう事になったのです。
ドキドキ…
ちなみに、萌え系とか美少女系ではないにしろ、オンラインゲームで一攫千金を狙っている私が、動作のテストを兼ねてFlashで制作したものも掲載していますが、会話部分の内容は、以下のテキストと同じものですから気にしないで下さい。
私:「ではでは、いくつか質問させてもらいますね。」
Yさん:「どうぞ。」
私:「ズバリお聞きしますが、“腐女子”という言葉をどう思いますか?」
これは1番最初に聞くべき質問でしょう。
Yさんの回答次第では、今回の会話の中で「腐女子」という言葉を絶対に使わないつもりでいたのです。
Yさん:「そうですねぇ、どなたが命名したのかわかりませんが、うまいこと付けたなぁという感じです。まさに的確な表現ですね。」
私:「え!?嫌悪感を抱くどころか、命名者に座布団1枚というわけですか? だって、仮にも“腐”というマイナスイメージの文字が使われているんですよ。そんな呼び名に対して、嫌な思いをした事は無いのですか?」
Yさん:「別に嫌な感じはしませんよ。他にも“貴腐人(きふじん)”という言葉もあるんですけど、やっぱり“腐女子”のインパクトの方が強いし、親しみやすさもあって、気に入ってる言葉ですよ。」
私:「そうなんですか?ちょっと意外ですね。その、貴腐人?という言葉は知りませんでしたが、確かに二番煎じでインパクトは薄い感じですね。」
Yさん:「そうなんですよ。」
私:「それでは、“BL”というジャンルに興味を持ったきっかけは何ですか?」
Yさん:「中学生の時に、友達の影響ですね。」
私:「BLに出会う機会って、身の回りに普通に存在するんですね… 中学生の時は、周りにBL好きな人は、他にも何人かいたんですか?」
Yさん:「他には… いませんでしたね。というより、気付かなかっただけかもしれませんけど。」
私:「あの子も、もしかしたら… とか、ビビビっとくる事はなかったんですか?」
Yさん:「それは無いですね。腐女子の場合は、わからないですよ。擬態化させるのがうまいんです。」
私:「見た目では、腐女子かどうかはわからないという事ですか。」
Yさん:「そうですね。男性の場合の“オタク”だと、なんとなく見た目でわかりますが、女性の場合は全くわからないです。最近でも、そういう方達との交流会があったのですが、見た目は普通のOLさんとかですよ。皆さん、昼間は絶対にバレないように注意していて、夜にパソコンの前に座ってから本領を発揮するんです。
集まった場所はファミレスでしたけど、周りのお客さんも、まさか私達が腐女子の集まりだとは気付かないと思います。」
私:「うん、それはわかるような気がします。Yさんを見てても、まさか腐女子だとは思わないですからね。街で腐女子とすれ違っても、気付く事はありえないんですね。」
Yさん:「んー、そういうわけでも無いです。例えば、紀伊国屋書店のような大きな本屋さんに行けば、遭遇しますよ。BL関係の売り場にいる女性は、そういう人達ですから。」
私:「え!?僕も本屋さんにはよく行きますけど、そういうコーナーありましたっけ?」
Yさん:「ありますよ。」
私:「そうなんですねぇ。そういえば、僕はあまり漫画を読まないので、漫画コーナーに行くこと自体が少ないから気が付かないのでしょうね。
話は変わりますが、ネット上での交流とかは、SNSを利用されてるんですか?」
Yさん:「そうですねぇ… あとはブログにコメントしたりですかね。私の場合、ブログはこまめにチェックしているんですが、驚くほど同じような内容の記事が書いてある事も多くて、あ!私と全く同じ事考えてるんだぁ、と思って怖くなる事もありますよ(笑)。
でも、実際に会って話をしたりすると、あっこの人、私とちょっと違う!同じ考え方だけど、微妙に違う!と思うところはありますけどね。」
私:「興味深いですね。同じガンダム好きでも、ZZまでか、それ以降かで意見が分かれるような感じですね。」
Yさん:「はぁ…」
私:「・・・・」
Yさん:「・・・・」
私:「に、二次元の世界にしか興味はないんですか?」
Yさん:「そうですねぇ… BLに関しては、二次元の世界にしか興味はありませんよ。三次元の世界のBLに興味はありません。但し、全ての二次元がいいというわけでは無く、絵の上手さはかなり重要です。」
私:「絵が上手ければ、ストーリーが無くてもいいという事ですか?イラスト単体でも魅力を感じますか?」
Yさん:「ストーリーがあるに越したことは無いですけど、イラスト単体でも魅力は感じます。」
私:「そうなんですねぇ、ビジュアルだけでも十分魅力的なものはたくさんありますからね。
また話は変わりますが、Yさんはテニスの王子様に出てくる、なんとかというキャラクターが好きなんですよね? 好きなのは、そのキャラクターだけなんですか?
他の二次元のかっこいいキャラクターに魅力は感じないんですか? 高畑さんとか… エスパー魔美の。」
Yさん:「んー、無いですね。彼が私の中の玉座にふんぞり返ってるから… 他のキャラクターの魅力は薄れてしまいますよ。」
私:「テニスの王子様を心から愛しているんですね。韓国まで舞台を観に行くぐらいだから、すごいパワーだと思いますよ。ちなみに、その舞台はBLですか?」
Yさん:「いいえ。日本製の普通の舞台です。」
私:「え!?そうなんですか。テニスの王子様は、BLとは関係なく好きなんですね。」
Yさん:「そうですね。普通の原作漫画のストーリーも大好きで、あの時、彼がこう言ったらこうなってたかもとか、あの時、こんな事を考えてたはずだとか、キャラクターの気持ちになっていろいろ想像するのが楽しいんですよ。
結局、最終的にはBLにつながる事が多いですけど(笑)。」
私:「原作者の意図を遥かに超えて、すごい広がりをみせていますね。」
Yさん:「そうなんですよ。私の場合はテニスの王子様なんですけど、いろいろな漫画でも同じような広がりをみせていますよ。」
私:「Yさん以外の腐女子の方々は、どういう漫画のキャラクターとBLを融合させているんですか?
やっぱり、美少年ものとかになるんですか? 聖闘士星矢とか… るろうに剣心とか…」
Yさん:「どんな漫画にも萌える人はいると思いますよ。男性キャラクターがいれば、何でもBLになりえますから。」
私:「えぇ!? それじゃ、北斗の拳とか、アンパンマンとかでも?」
Yさん:「あると思いますよ。」
私:「シティーハンターとかゴルゴ13でも?」
Yさん:「あると思いますよ。」
私:「えー! 海坊主ですよ?」
Yさん:「それもまたいとをかし。」
私:「それじゃぁ… 六三四の剣も?」
Yさん:「それは、どういうものか知らないんですけど、あると思いますよ。」
私:「うーん、なるほど。なかなか理解し難い世界ですが、とてもとてもおもしろそうな世界ですね。
長崎以外の県民が、お墓参りの時に花火をしないと知った時以来の大きなカルチャーショックを受けた気がしますが、とにかく勉強になりました。ありがとうございました。」
Yさん:「え!もういいんですか?」
私:「はい。氷山の一角だと思いますが、“腐女子”について少し理解できたような気がしますし、これからもお会いする機会はあるでしょうから、また少しずつ聞かせて頂ければと思います。
ちなみに、今日の会話の内容を、私のブログに書いちゃってもいいですか?」
Yさん:「はい。それは構いませんよ。ただし、世の中の腐女子が、必ずしも私と同じ考え方というわけでは無いので、私の発言は参考程度に考えておいて下さいね。」
私:「ありがとうございます。そうですね、それは大事なところですよね。腐女子の中にも十人十色というわけですね。
ついでに、Yさんのサイトにリンクを張ってもよろしいでしょうか?」
Yさん:「それはダメですよ。確かに私は一部の人達に、自分が腐女子だという事をカミングアウトしてしまいましたが、基本的には内緒の秘め事です。みかん絵日記なんです。どこからバレてしまうかわからないですからね。」
私:「確かにそうですね。いやほんと、今日はありがとうございました。」
こんな感じの会話を終えて、お店を後にしました。
上記の会話は全体の中のごく一部で、他にも興味深い話を聞く事ができたのですが、諸事情により省略します。
今回、Yさんとの会話を通して思った事は、「腐女子」と呼ばれる人達が実際に存在していて、ネタなどではなく本気でBLを好きで、好きになれるものを持っている強さがあり、強くて確固たる生き方をしているという事でした。
日本らしい新たなサブカルチャーの力を見せ付けられたような気がします。
普通の女性が、どうして“BL”という限定された世界を好きになるのかという理由はよくわからなかったのですが、少なくともBLに関する話をしている時や、ブログの文章を読む限りでは、Yさんはイキイキとしているし、すっごいエネルギーを感じました。
こういった人達のエネルギーによる経済効果は、計り知れないものがあると思いました。
これは、コミケの盛況ぶりを見れば一目瞭然ですが…
また、Yさんのおかげで腐女子と呼ばれる人達に対して非常に親近感が沸いたような気がします。
Yさんが言っていたように、仮に身の周りにもたくさんの腐女子が存在しているのであれば、Yさん以外の腐女子の方は、どんな考え方を持っているのかとか、どんな活動をしているのかとか、どういうお仕事をしているのかとか、いろいろなお話をしてみたいとも思いました。
別に腐女子に限った事ではありませんが、我が道を行く人達、信じたものをとことん貫き通す人達って興味深いんですよね。
社会生活を送る上での常識を持ち合わせている事は前提として、明らかに偏った考え方や、度を越えた趣味を持っている人は、なんだか不思議な魅力を持っています。
私だって、人から「変わってるね。」と言われる事はよくありますが、それはいろいろわかっている上で変な事をしているだけであって、全て計算済みなんです。ホントですよ。
だけど、彼らは本当に変わってるんです。
自分の大切な人生を懸けてまで変わってるんです。
だから不思議な魅力があるのでしょう。
そして、彼らと話をしていると、「ぼ、僕だって、こんなおもしろい話題持ってるんだよ!」とか、「こんな変わった特技を持ってるんだよ!」とか、意地でも張り合おうとしてしまう自分がいるのですが、そんな行動を起こしてしまう自分こそ、やっぱり普通の人なんだなぁと実感します。
今回は、いろいろ変な質問をしてすみませんでした、Yさん。
また、ブログへの掲載を快く許諾していただき、ありがとうございました。
次回は、カレーなどご一緒にいかがですか?
連載希望!(無茶振り
ゲーム風のFlashの見せ方もいいですねー素晴らしい!
またYさんとお会いする機会があれば、第2段も書きますね!
FWWサイト運営・管理研究会(仮)の忘年会にYさんを連れて行けたら、絶対おもしろいだろうなーとかも考えていたんですけど、私自身が参加できなくて… スミマセン。